空 色 の 欠 片 た ち
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[レモンティー]

レモンティーが好きなのは、
貴方がよく飲んでいたから。
貴方に少しでも近づけた気がして、
嬉しかったから。

レモンティーが好きなのは、
貴方が買ってきてくれたから。
「いつもレモンティーだな」って言われて、
悪い気はしなかったから。

レモンティーが好きなのは、
そんな思い出いろいろあるから。



[ 愚恋昇華 ]

貴方の瞳に見つめられるのが好き
だから少しでも
その瞳にわたしを映したくて
貴方の隣を歩いてる

届かない想いとわかってる
言えない想いとわかってる
ただの
憧れかもしれないこともわかってる

わたしは欲張りだから
好ましく想った人には好かれたいの
そんな図々しい想いを
口になんて出せるはずない

貴方の瞳に映っていればいい
貴方が優しい言葉をかけてくれるだけでいい
それだけでいいの
それ以上は望まないし
要らないから

何処へも行けないこの想いは
言葉にして昇華して
そして数日後に雨を降らせて
愛しく想う貴方の頬に



[ 心の裏側 ]

心に吹くすきま風を

貴方に埋めてもらいたいと思う

わたしの浅ましい感情

一度きりでいい

貴方に思いっきり抱きしめてもらいたい

わたしはきっと それで満足できるから



[ Yell ]

自分だけの道を
見つけて進め

困難は数多く
あるだろうけれども

今 悩むことは
今 苦しむことは

後で大きな糧となる

困難を乗り越えてこそ
素晴らしい道を行ける



[ ちいさな君は ]

無邪気に
ちいさなてのひらを振る
君は

いつまで
わたしという存在が居たことを
覚えているだろうか



[ 月 ]

月はどうして
こんなにもわたしを魅了するのか

つき
その響きさえ
わたしの鼓膜を神秘に震わす


三日月を象った漢字でさえ
わたしの瞳に光を落とす

青い空に浮かぶ
白いつきの儚い風情も

漆黒の空に浮かぶ
黄金の月の天照す輝きも

すべてが
美しく

ああ
月読尊 月神よ
何故にここまで
わたしの心を奪うのか……



[ 今はここに。]

あなたの前では
ちいさなわたし
見下ろされてる感覚も
あなただから心地よいの
あなたの瞳に
わたしだけが映っている
そう思えてうれしいの
馬鹿な女と思わないでね
すこし
ほんのすこし
あなたに惹かれてるこの気持ちは
誰にも言わずにおくから だから
だからお願い
離れる運命にあるのだから
今はここに居させてね



[ やさしい闇の夜のこと ]

月がとっても明るい夜の
闇はすこぉしやさしくて
霞んじゃってるおほしさまの
光にちょっぴり涙する

うさぎさんだかかにさんだか
月に棲んでる誰かさんは
毎日下界を見下ろして
いったい何が楽しんだろね?

外はとっても寒いから
わたしはお部屋でぬっくぬく
お部屋がわたしの世界のすべて
だったらいいのになんて思う

あーあ、あーあ、欠伸して
眠たくないのと言い聞かせるの
そしてこうして言葉を綴るの
現実に消されてしまう前に



[ 朝が来る ]

焼けた空をみていた
山際から射す太陽の後光
紅に染まる雲の底
まるで熱しられているように

空は薄紫色
厚い雲の切れ間から
すこし水色が覗いている
間もなく天を支配するその色は
今は何とも頼りなく

もう……
朝が来る



[ サンタ・クロースの存在 ]

世間しらずなわたしは今でも
この地球のどこかには
サンタ・クロースの国があるって
心の片隅で信じているの

どんどん、どんどん、
わからないものはない世界に
突き進んでいっているけど
それは果たして良いことなのかな?

なにもかもが
人間の手によって暴かれてゆく
壊されてゆく
殺されてゆく

子どもの心をもたない人間は
みるみるうちに錆びついて
一瞬の栄華を極め死んでゆく、きっと

わたしはどんなに馬鹿げていても
子どもらしい夢を持ちつづけたい



[ 仮面 ]

どうしてわたしは
いつも
いつも
いつも
いつも
笑顔で居なければいけないのだろう?
負の感情を 吐き出せずに
どんどん どんどん
心に溜めてしまう
苦しいのに
]泣きたいのに
すべての感情を
笑顔で塗り込めて……



[ 此処に在るあたたかさ ]

この凍えたゆびさきを
あたたかく包んでくれるのは
やっぱり貴方しか居ないのに
わたしは何を見ていたのだろう?

でもね
あの人の瞳を見ていると
そうじゃないってわかってるのに
あたたかく包んでくれているように
感じてしまうの

それは、現実じゃない

現実に
わたしにあたたかさを与えてくれるのは
貴方だけなの
わかっているから

だから、許してね?

決して貴方の傍から離れないと
すべての神に誓うから



[ 流水 ]

Running water,
Without noises,
With singless of mind,
Be clear,
Even a stain,
In my mind,
Wash out,
To the strange edge,
Whenever possible,
Please lower me,
My all,
Into pure riverbed.



[ 心のすきま風 ]

ここ最近
心にすきま風が吹いている

ほんのちょびっとだけ
開かれたすきま
ヒュ〜ヒュ〜と雪混じりの
冷たい木枯らし吹きつける

貴方を想っても
心が満たされなくなった
するするとそのすきまから
零れ落ちてゆく何か

姿も見えない声も聞こえない
貴方だけど
声を聞いて姿を見て
何かが変わるだろうか?

貴方ほど
わたしを理解してくれるひとは
わたしを許してくれるひとは
きっと居ない

じゃあ
このすきま風は
なに……?



[ 気がおけない人 ]

君は気づいているのだろうか
わたしが憎まれ口をたたくのは
君をおいて他にないこと
君が意地悪なこというから
わたしは返しているだけだけど
そうじゃなくても
きっと君にしか出来ないこと

憎まれ口の裏側は
親愛の情だということ
君は気づいているのだろうか



[ like a godress ]

わたしは只の人間で、
永久の命など持っていない
紅い血が流れているし、
罪を犯すこともある

だから
永久に貴方を想っていられる、
そんな約束など出来ないわ

離れている距離が心地よいのは、
きっと交わるのが怖いから
独りで育ててきたこの心を、
掻き回されてはたまらないから

もしかすると
貴方はあながち間違ってないかもね?
わたしは孤高を好むようだから



[ 重たいの。 ]

貴方はきっと何も悪くないの。

すべてわたしが悪いの。

どうしても……

重たくて重たくて泣きそうなの。

叫びたいの。投げつけたいの。

どうして…… わたしは繰り返してしまうの。

誰かと歩調をあわせることが出来ないの。



[ 手を…… ]

うつむいてうずくまっているわたしに
気まぐれに手を差し伸べないで
わたしはその手をすべてと思ってしまうの
そんなの重たいでしょう?

もしわたしの手をとったなら
生涯はなさずにいると誓って
わたしは何があってもその手についてゆくわ
そんなの耐えられないでしょう?

だからわたしは線を引くの
だれかれものあいだに
いとおしく想う人とのあいだにも……
そうせずにはいられないの>



[ 何も要らない ]

I need nothing.
I don't quite need anything now.
I don't want both my favorite sweets and chocolate,
Even your sugary words.

So, please let me retire into myself.

Please let me sleep soaking innocent tears.

Please......



[ かたてぶくろ ]

失くしてしまった
片方のてぶくろ
手が冷たいよ

お気に入りだったから
いまも
残った片方のてぶくろ
ずっと
かばんに入れてます

いつか
無くした“かたてぶくろ”
持った誰かが
わたしのこごえた手に
はめてくれるんじゃないかと
おもうから……



[ ないものねだり ]

ないものねだりのナァちゃんは
またまた玩具に飽きちゃったとさ
おみせのウィンドウで見つけて
あんなに欲しがった玩具なのに
半年たらずで飽きちゃったとさ
ママに遊びなさいと言われるから
いやいや遊んでいるけれど

ないものねだりのナァちゃんは
まえの玩具が懐かしくなったとさ
気がつけばそばにあって
ナァちゃんを慰めてくれたけれど
つまらないから捨てちゃったとさ
でもやっぱりまえのがいいと
今は思っているみたい

ないものねだりのナァちゃんは
近い将来いまの玩具も
ぽいと捨ててしまうだろう
そしてあたらしい玩具を得て
また飽きて
いまの玩具を懐かしむだろう

ないものねだりのナァちゃんは
いつもおなじ過ちくりかえす
誰も叱ってくれないから……



[ CANNOT ]

泣けない

眠れない

言えない……

わたしの心は
解放されない

泣けない

叫べない

赦されない……


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I cannot cry,

I cannot sleep,

and I cannot tell you about me...

My heart isn't released.

I cannot cry,

I cannot wail,

and I won't be forgiven by you..



[ こころの何処かで ]

ねぇ、
贅沢なことはいわないから

わたしのこと、
ほんの一時でも好きだと、
そう思ってくれたのなら

その気持ちが、
とおりすぎてしまったとしても、
お願いだから

こころの何処かで、
ほんのすこしだけ、
わたしのこと好きなままで居てね

応えられなかったわたしが、
言えたことじゃないのだけど

君の気持ち、
うれしかったから

誰かに、
好きと思ってもらえて、
わたしはそれが、
生きるよすがとなるから

ときどき、
おもいだしてね

好きだったこと、
思い出としてで良いから


[ 声さえ…… ]

声さえ届かぬこの場所で
わたしは誰に叫ぶのだろう
心に巣くうこの闇を
心を救った涙の粒を

声さえ届かぬあの場所に
きっと貴方は居るのだろう
わたしの存在すら忘れ
あたらしい幸せを得て

声さえあらぬその場所は
何処かの淵で
今も在る



[ ぼんぼり桜 ]

ソメイヨシノが
眩しい新緑の葉を茂らせるころ
ぼんぼり桜は満開だ

幾重にもかさなった
やわらかい花弁を揺らし
細くしなやかな枝を
たわませながら

朧な春の光を
振り撒くんだ

桃色のにおいを

春の囁きを



[ similar to you ]

貴方とわたし
すこし似ていた
こころの在り方
考え方
だからわたし
貴方に惹かれたのだと思う
わたしを理解してくれる人だったから

でも貴方を愛するまではいかなかった
好きだったよ
でも愛せないと思った
似すぎているから
貴方の良いところは
大好きだけど
わたし自身の嫌いな部分は
そのまま貴方にも在って
それを目にするのが
つらかった

でも今も
貴方の声を聴くと安心するの
心に沁みるの

弱音も吐いていいよ
わたしなら
貴方の気持ちすこしは
わかってあげられる

これからもときどき
声を聴かせてね
共に歩くことはできなくとも
友だちとしては
共に居れるから



[ 雲翼のコンドル]

大空に
真白で壮大な翼を広げ
太陽に向い
コンドルが行く

太陽が見せるプリズムで
その翼は虹色に染まり

何処まで行く
雲翼のコンドルよ
その先には
何が在る



[ 石鹸のかおり ]

あなたの干渉しないやさしさ
石鹸のかおりのような

懐かしく思い出す

もう、
あなたの手は、
わたしには差し伸べられないでしょうか。



[ 繰り返す孤独への思慕 ]

くりかへし くりかへし
わたしを襲ふは孤独への思慕

しはわせに満つわたしの心は
根元より腐敗し始め
また孤独を呼び寄せむとす

くりかへし くりかへし
終わりを見ぬ孤独への思慕

わたしは何ゆゑ しはわせを捨て
孤独に在るを 願ふのか

くりかへし くりかへし
孤独への思慕 くりかへし……



[ hot tea ]

次に逢うときに、ゆっくり話しましょう。

ぬくい紅茶でものみながら、ね。

何もかも、きっとそこから始まるわ。


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Talk with me closely, if you return.

Over a cup of hot tea, will you?

Everything will be sure to start there.



[ おかえりなさい ]

おかえりなさい わたしのこころ

ゆるやかに ゆるやかに

やさしい色が ほころびはじめ

想いの熱が 上昇してゆく

おかえりなさい

おかえりなさい

そう また ゆっくりと

はじめればいいんだよね

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Hello, dear my love.

Gently and softly,

My heart begins to turn tender color

and rouses my passion.

Hello, hello,

start to love each other again......



[ nostalgia ]

貴方のことを聞きました。

こころのなかの郷愁が、

ゆっくりと目覚めたようです。

いつまでも色褪せぬ想い、

ずっと抱いてここまで来ました。

貴方のこころにわたしが居ること、

信じていいですか。

もし、貴方と逢うことが叶うならば、

伝え切れなかった想い、

抱えきれぬほどの想い、

差し出してもいいですか。


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I could hear about you.

Nostalgia for you in my heart

appeared to wake up gradually.

I have held feelings

which will never fade.

Can I believe that

I am in your heart?

If I am able to see you,

give you my whole tenderness

which I couldn't tell you...

which I can't hold my arms...



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